TVアニメ『薬屋のひとりごと』 全24話花言葉考察

アニメ・漫画

今回はTVアニメ『薬屋のひとりごと』に出てくる花や植物の花言葉を徹底考察します。

監督のインタビュー記事を読んで、作品テーマを軸に全て計算で意図を込めて作られているということに感動しやるしかないと思い立ちました。

花がよく出てくるのには気づいていたのですが、花言葉が各話のテーマとして在り、花が印象的に使用されているみたいなんです。

結構細かいところまで意図して花が挟まれている部分もあるので、アニメを見返して頂けるとより興味深いと思います。

※各話だけでなく1クール目のオープニングについても第7話のところで紹介しています。

もちろんアニメ1期のネタバレありとなりますのでご了承ください。

アニメ「薬屋のひとりごと」公式サイト (kusuriyanohitorigoto.jp)

薬屋のひとりごと:色や音で“無意識”を刺激 花に込めた意味 長沼範裕監督インタビュー – MANTANWEB(まんたんウェブ) (mantan-web.jp)

花言葉考察

第1話『猫猫』

まず最初に説明したいのが「片喰」ですね。

片喰(カタバミ)はこの作品内で主人公の猫猫を象徴する花になっており、OPや今後のエピソードでも度々登場するので要チェックです。

1話でもOP後の冒頭に片喰のカットがあり印象付けられています。

猫足の異名を持つことからも猫猫っぽさがある花です。

その花言葉は「輝く心」「喜び」

常に冷静そうに見えて好奇心や正義感を併せ持っている猫猫。

毒や薬に心を躍らせる一面もあり、そんな彼女を表す花言葉になっているんでしょうか。

他にも1話で存在感のある花がありましたが、2話でまとめて紹介します。

 

第2話『不愛想な薬師』

続いて1・2話の鍵となった花として「シャクナゲ」を紹介したいと思います。

その花言葉は「警戒」「危険」

1話で猫猫はおしろいの危険性を伝える為にシャクナゲの花に文を括り付けていました。

文の内容と同じく花にも警告の意味が含まれていたのですね。

シャクナゲは摂取すると吐き気や呼吸困難を引き起こす植物の例として2話でも登場しました。

部屋に飾られていることで実は何カットも映っていたんですよ。

 

第3話『幽霊騒動』

城壁の上で舞う夢遊病と言われていた芙蓉妃が登場するのが3話。

猫猫の言葉の通り「芙蓉」という花が存在します。

芙蓉という花は朝には白い大輪の花を咲かせます。ですが夕方には濃い桃色へと花の色を変えるのです。

花言葉は「しとやかな美人」「繊細な美」「妖艶」「幸せの再来」「熱い思い」

1日のうち違う顔を持つということで、今回は特に酔芙蓉の花について言及されていたと思うのですが、こちらの花言葉は「心変わり」です。

酔芙蓉の花言葉は内容と真逆だと思うのですが、芙蓉妃と武官の再会シーンの挿入歌の歌詞に「目の前の日常が変わろうと心は移ろわず」というフレーズがあり、花言葉を意識しての作詞だった可能性もあるのではと考えています。

「強く願えば願うほど色を変えていくの」という歌詞もあり、全体的に芙蓉妃を芙蓉の花に見立てた楽曲になっているようでした。

また見返して気付いたのですが、最後に猫猫が「恋が女を美しくするのであれば、どんな薬になるだろう」といいながら自分の左手薬指を見ているシーンは2クール目の伏線になっていたんですね・・・

 

第4話『恫喝』

4話は梨花妃のお話ということで、彼女を花に例えた「桔梗」が登場しました。

その花言葉は「永遠の愛」「変わらぬ愛」「気品」「誠実」

妃として気品に溢れた人物である梨花妃に相応しい花かと思います。

妃を表す花としてOPにも登場していますね。

 

第5話『暗躍』

5話からはニッチですが「スミレ」を紹介したいと思います。

猫猫がそばかすの化粧をしている理由を説明する際に、花街で紫の花が踏みつけにされるカットがあったと思います。その花がスミレです。

紫のスミレの花言葉には「貞操」というものがあります。

裏路地に連れ込まれ貞操を踏みにじられることがあるという花街の現実を表していたんです。

薬屋のひとりごとでは、重くなりすぎないような表現にはされていますが、今回の例や人攫い・人身売買も含んだ昔の中国社会の暗部も描かれていますよね。

 

また4人の上級妃の紹介でそれぞれ花と写っているシーンがあったのでこちらも紹介します。

まずは猫猫が侍女として仕える玉葉妃。

彼女の花は「牡丹」です。

その花言葉は「王者の風格」「高貴」

最も皇帝の寵愛を受けていると言われている玉葉妃らしい花言葉だと思います。

4話でも猫猫が玉葉妃を牡丹に例えていますが、彼女には牡丹の花に相応しい華やかさがありますよね。

 

梨花妃は4話で紹介したので割愛し、お次は阿多妃。

阿多妃は「カトレア」の花だと予想します。

花言葉は「優美な貴婦人」「成熟した大人の魅力」

現帝最初の妃として知的で大人な女性としての彼女を表しているのでしょううか。

 

最年少、里樹妃の花は「鈴蘭」です。

花言葉は「純粋」「純潔」

年若い彼女の無垢さが表れた花・花言葉になっているようでした。

 

第6話『園遊会』

OP後の冒頭に白い花のカットが入ります。

こちらは色々調べたのですがでは「ハマギク」ではないかなと思いました。

フランスギクシャスターデージーなど似た花も多くあり迷ったのですが、いずれにせよマーガレットや雛菊の系統ですかね?

花言葉は「逆境に立ち向かう」

直後に侍女に陰口を言われる里樹妃が映ることから、彼女の後宮での過酷な状況が表現されているようでした。

第7話『里帰り』

この話では印象的な植物が見つからなかったのですが、代わりに「コバイケイソウ」という花を紹介させて下さい。

オープニングで最初のタイトルが出た後にまず8種花が次々出てくるのですが、恐らくその7番目の花です。

この花たち、私の仮説だと1クール目の各話に出てくる花なんです。

①シャクナゲ(第1・2話) ②芙蓉(第3話) ③桔梗(第4話) ④スミレ(第5話) ⑤ハマギク(第6話) ⑥コバイケイソウ(第7話?) ⑦ホトトギス(第8話) ⑧レンゲツツジ(第11話)

この記事でこれから紹介するものもありますが、順番まで一緒だったので驚きです。

ちなみに8種の花の後さらに7種出てきますが、これは緑青館の三姫と四人の上級妃をイメージした花になっていますね。三姫の花についてはこの記事でも後ほど紹介します。

①梅 ②菊 ③コブシ ④カトレア ⑤鈴蘭 ⑥桔梗 ⑦牡丹

コバイケイソウの話に戻りまして、花言葉は「遠くから見守っています」です。

この花なんですが猫猫の養父である羅門をイメージした花ではないかと考えています。

花言葉も猫猫を優しく見守っている彼にぴったりです。

またコバイケイソウの中央の花は両性花らしく、これも宦官であった羅門と似た特徴を持っていると言えるのではないでしょうか。

7話は里帰りの話で、猫猫が羅門を大切に思っていることが伝わるエピソードです。

さらにOPの流れを考えてもやはり7話でコバイケイソウが出てくるはずなのですが何度見返しても他の話でも見つかりませんでした。

考えられる理由としては、遠くから見守っていて今の猫猫とは距離が離れているのを表す為あえて出さなかったということでしょうか。

 

第8話『麦稈』

今回もOP後のカットなど所々で「ホトトギス」の花が出てきます。

その花言葉は「秘めた意志」

猫猫は里帰りした際に心中事件に遭遇します。

その片割れの妓女には隠した思惑があったことが花言葉に込められているようでした。

 

第9話『自殺か他殺か』

このお話では後半夕景の中「南天がクローズアップされる場面があります。

花言葉は「私の愛は増すばかり」

これは壬氏の猫猫に対する気持ちを表現しているのだと思います。

監督へのインタビューによると赤が危険信号という意味で使われているようで、壬氏の思いに対する猫猫の答えとなっているのかもしれません。

第9話で夕景が赤く染まり、これ以上踏み込むと危険であるという信号にもなっています。言葉では説明していなくても視覚的な仕掛けがあります。

薬屋のひとりごと:色や音で“無意識”を刺激 花に込めた意味 長沼範裕監督インタビュー – MANTANWEB(まんたんウェブ) (mantan-web.jp)
 

第10話『蜂蜜』

10話では序盤で猫猫が妃たちに思いを巡らせる際、「柘榴の実」のカットが出てきます。

その花言葉は「結合」

後宮の花は実を結ばねば意味がないということで、子を宿す象徴として柘榴の実が描かれていたようでした。

 

第11話『二つを一つに』

11話も冒頭から花のカットで始まります。花のカットで始まる話がこんなに多いとは見返すまで気づきませんでした。

今回メインの花は「レンゲツツジ」です。

花言葉は「情熱」

9話で赤が危険信号という意味で使われていたとのことでしたが、この真っ赤なレンゲツツジも同様の意味だったのではないかと推測しています。

阿多妃の侍女頭であった風明の思いが、結果として子を死なせることに繋がってしまったのを表現しているように感じました。

 

この11話ではさりげなくですが他にも2種類の花が登場します。

1つ目は「福寿草」

阿多妃の出産後、風明が子の世話をしている束の間の平和なひと時のシーンで花瓶に生けられています。

花言葉は「幸福」「祝福」「回想」「思い出」

 

2つ目は「カーネーション」

阿多妃が幼い里樹妃を可愛がっていたというシーンで阿多妃の髪に飾られています。

花言葉は「無垢で深い愛」

カーネーションは母親の象徴としての一面がありますので、阿多妃が里樹妃に対し母親のような気持ちで接していたことを表現しているのかもしれません。

 

第12話『宦官と妓女』

12話では緑青館の三姫の供として猫猫が宴に参加します。

そして壬氏と再会を果たした後のシーンで花瓶のカットがあります。

この花瓶には三姫の白鈴・女華・梅梅と猫猫をイメージした花が生けられているんです。

しかもこの花たちOPにも登場していました。

まず左上の白い花は「コブシ」ではないかと推測しています。

名前の漢字からして白鈴ですかね。

花言葉は「歓迎」

色欲の強い彼女っぽい花言葉ですね。

 

続いて右側の大輪の花は女華の「菊」だと考えています。

ピンクの菊の花言葉は「甘い夢」です。

 

3種目は梅梅で、お名前そのまま左下の「梅」でしょうか。

花言葉は「高潔」「忍耐」

また紅梅の花言葉には「優美」「艶やか」というものがあります。

どれも妓女らしさのある花言葉になっていました。

そして3種の花の中心に一輪のカタバミ。

カタバミは猫猫を象徴する花なので、壬氏との関係を三姫に問われ可愛がられている猫猫という構図が花にも表れていたことになります。

第13話『外廷勤務』

13話では印象的な植物が見つかりませんでした。

強いて言うなれば翠苓から白檀の香りがしたというくだりがあったので、「白檀」の花言葉を調べてみました。

花言葉は「平静」「沈着」

翠苓っぽい花言葉です。13話の段階では彼女の今後に注目ですね。

 

第14話『新しい淑妃』

もはやお馴染み、今回もOP後に花のカットです。

楼蘭妃の入内シーンで雪を被ったピンクの花が映ります。

最初はサクラソウかと思ったのですが、咲く季節や葉の形を考えると「ヒマラヤユキノシタ」ではないかと考えました。

花言葉は「秘めた感情」

感情や考えが読みづらい楼蘭妃を意識した花言葉のようですね。

 

第15話『鱠』

今回のOP後カットは棘が目立つ枯れた薔薇の枝。

羅漢の心を表しているのか彼を象徴しているようで、今後の話でも度々差し込まれます。

こちらとは別に15話で存在感があるのが「白いサザンカ」です。

序盤で猫猫が花瓶に生けているのと、後半庭掃除をしているシーンで庭に咲いています。

花言葉は「あなたは私の愛を退ける」

これは「親から子」、羅漢から猫猫への思いを表していたのではないかと推測しています。

この回は猫猫が羅漢の存在を意識する回なので、身近なところに彼がいるということを暗に表現していたのかもしれません。

 

第16話『鉛』

16話は彫金細工の家系のお話です。彼らの家の庭には「栗」の木がありました。

栗にも花言葉があります。

それは「私に対して公平であれ」です。

遺産相続で揉めていた3兄弟の話にぴったりの花言葉でした。

こちらは15話の逆で「子から親」への気持ちを表した花言葉でしたね。

 

第17話『街歩き』

今回もOP後1カット目で花の描写です。

このカラフルな花は「プリムラ」でしょう。 

花言葉は「青春の恋」「青春の始まりと悲しみ」

変装した猫猫と壬氏の街歩きということで、花言葉に青春なんて入ってますね笑

いつもと違ってどこか楽しげな2人から一転、壬氏の問いでそれが終わりを迎えることまで花言葉に表れている隙のなさです。

 

第18話『羅漢』

18話では「ハナズオウ」という花が登場していました。

鳳仙の過去回想中に部屋で手紙を書いているシーンと、緑青館で梅梅が猫猫に羅漢が帰ったことを知らせた後のシーンで庭に咲いています。

花言葉は「裏切り」

妊娠した自分を迎えに来なかった羅漢に対する鳳仙の気持ちが表れているように感じます。

ハナズオウは通常ピンクなのですが、羅漢への手紙を書くシーンの窓からは真っ赤なハナズオウが見えます。

9話で記載した法則と同じで、あえて赤にすることで2人の関係への危険信号という意味が込められているのではないでしょうか。

翠苓が話した朝顔についてや他のシーンで映っていた鳳仙花については後ほど説明します。

第19話『偶然か必然か』

この回は印象的な花がなかったので割愛します。

猫猫が壬氏を助けた回なので、この名シーンに集中させる為かもしれません。

第20話『曼荼羅華』

曼荼羅華=「チョウセンアサガオ」という植物です。

2クール目のOPにも登場する白い朝顔のような花です。効果については猫猫が解説の通りです。

花言葉は「偽りの魅力」「変装」

翠苓が医局の男性から好意を抱かれていたことや、死を偽装していたことに関係性のありそうな花言葉でした。

 

第21話『身請け作戦』

21話は李白の白鈴への思いの真っ直ぐさが伝わるお話でした。

「梅」が所々に出てきて彼を表しているかのように感じましたね。

梅は先ほども紹介しましたが、花言葉には「高潔」「忍耐」「忠実」などがあります。

自分の思いに忠実な彼らしい花言葉でした。

 

第22話『青い薔薇』

最初のカットの黄色い花は「ミツマタ」ではないかと予想しています。

花言葉は「肉親の絆」

監督がテーマに「親と子」があると話していたことや、玉葉妃が第二子を身ごもったことからも関係のある花言葉になっていると感じました。

またその直後に、玉葉妃と娘のシーンで「菜の花」が一瞬映ります。

その花言葉は「小さな幸せ」「元気いっぱい」「財産」

子は宝とも言われますし、元気いっぱいな姿に皆が幸せを感じている様子が花言葉でも表現されていました。

タイトルの青い薔薇については最後に取っておきますかね。

 

第23話『鳳仙花と片喰』

遂に23話、鳳仙と羅漢のお話です。

もちろん何度も映っている「鳳仙花」(ホウセンカ)が彼女を象徴しています。

花言葉は「触れないで」「心を開く」

人を寄せ付けない眼を持ち客へきつい対応をすると言われる鳳仙でしたが、碁やシャンチーで互角の腕前を持った羅漢には心を開いていきます。

鳳仙花は実が熟すと弾け飛ぶと言われていますが、2人の年月が積み重なったことで結果として猫猫が生まれることとなります。

また鳳仙と羅漢の出会いのシーンでは美の象徴である赤い薔薇が生けられていました。

彼が初めて人の顔の美しさを感じることになるのを予感させる意味があったのかもしれません。

 

第24話『壬氏と猫猫』

以前から鍵となっていた「青い薔薇」

青い薔薇は花言葉が変化しており、以前は自然界に存在しないため「不可能」「存在しない」というものでした。

しかし科学技術で青い薔薇が誕生したことで「夢叶うという花言葉に変化したのです。

この花言葉を羅漢と鳳仙の2人に当てはめてみます。

羅漢は鳳仙が亡くなって「存在しない」ものだと思い込んでいましたが、猫猫から枯れた薔薇を受け取ったことで、存在しないと思っているものが存在しているというメッセージに気付いたのではと考えています。

そして羅漢は鳳仙と共に生きるという夢を叶えた為、青い薔薇の花言葉の変化にも一致しているのです。

 

また監督がXで羅漢と鳳仙の再会シーンのピンクムーンについて触れていましたが、調べてみると愛が叶うと言われているようです。

さらにピンクムーンの由来は芝桜が咲く時期に出る月ということでここでも花に関連が出てきます。

ちなみに芝桜の花言葉は「合意」「一致」「臆病な心」

互いに踏み出すのが遅くすれ違ってしまった2人でしたが、ようやく気持ちが繋がり身受けが決まったことに相応しい意味があったように感じます。

最後に、中盤の壬氏の部屋に桔梗が飾られていたようなのですがこれは壬氏から猫猫への気持ちを表しているのかもしれませんね。

 

終わりに

かなり長い記事となりましたが今回は以上となります。

こんなに1話1話花が登場していたとは思わず、制作陣の作り込みに圧倒されました。

考察しがいがありすぎて大変な部分もありましたが2期も楽しみに待ちたいと思います。

また一部サントラの曲名にヒントをもらったのですが、「シャコバサボテン」はどこかで登場していたのか見つからなかったので分かった方は是非教えてほしいです。

最後までお読み頂きありがとうございました。

〈参考サイト〉
🍀GreenSnap(グリーンスナップ)- 植物・お花好きが集まるコミュニティ
花言葉のシャルロー (charlor.net)
花言葉-由来「由来も知りたい!」誕生花,画像など花情報満載 (hananokotoba.com)
かぎけん花図鑑 (flower-db.com)
華のいわや (hananoiwaya.jp)
白檀(サンダルウッド)とは?意味・スピリチュアル効果・取り扱い方 (lani.co.jp)

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