花言葉と振り返る「ちはやふる」、5記事目でラストとなります。
今回は41巻から最終50巻までの内容をコミックス表紙の花と花言葉と共に振り返っていきます。
花言葉紹介
41巻
41巻は千早と表紙初登場の千早の姉・千歳。
そして桜のような花が描かれています。
濃い桃色が可愛らしいこの花は、桜の中でも「河津桜」という品種ではないかと予想しています。
その花言葉は「思いを託す」
団体戦でも個人戦でも部活でもライバルでも、仲間に思いを託す場面が多くあるちはやふる。
”繋ぐ”ことが1つのテーマにも感じられるこの作品にぴったりの花言葉だと感じました。
詩暢のYouTubeから、彼女の札との繋がりが百人一首の歌人と関係があることに気付いた千早。
詩暢を1番理解する者になる決意をし、テレビのインタビューなども受けるようになります。
対する詩暢は知名度を上げるためYouTubeの活動を活発化させます。
アンチコメントに傷付く場面もありますが、最後には新にかるたで勝つことが出来て嬉し涙を流す動画も。
一方太一は長崎の周防名人の実家を訪ねます。
クリスマスには千早が姉の千歳と喧嘩のようになり孤独を感じる場面もありますが、お正月には菫ちゃんと田丸にクイーン戦での大盤係を頼むなど仲間がいてくれることを思い出します。
42巻
42巻の表紙は3年生女子コンビ、千早・かなちゃんと「矢車菊」ではないでしょうか。
花言葉は「優美」「上品」「清楚」
かなちゃんを表現するのに相応しい言葉たちが並んでいます。
この巻では、一緒にいない時でもかなちゃんが千早を支えていることを感じられる場面が何度もあります。
名人位・クイーン位決定戦に向け、準備を重ねてきた千早。
緊張の本番を迎える前には前夜祭に参加します。
そんな中インフルエンザにより読手3人中2人が欠席という知らせが。
さらに千早と千歳のスーツケースが入れ替わってしまうというイレギュラーまで発生してしまいます。
着物も何もかも入っていたものだけに取り乱す千早ですが、千歳が佐賀から急遽近江神宮へ向かってくれることになります。
決定戦当日。雪で千歳が間に合わないためかなちゃんの着物で近江神宮に参拝する千早。
かるた部の後輩や受験生のかなちゃん達まで応援に向かう中、千早は第一試合に臨みます。
43巻
43巻は名人位・クリーン位決定戦の主役たちが揃い踏みです。
描かれている花はクリスマスの時期によく見かける「ポインセチア」です。
花言葉は「幸運を祈る」「私の心は燃えている」
大勝負の始まりを思わせるような花言葉に熱い戦いを期待してしまいますね。
末次先生のTwitterでも花言葉に触れているものがありました。
名人位・クイーン位決定戦、遂に第一試合の始まりです。
読手は声色・リズム・音程全てがぶれることのないメトロノームのような読みが特徴の芹沢読手です。
憧れの場所で堅くなってしまった千早に対し、始まりから連取を重ねた詩暢が最初の勝利を手にします。
緊張高まる試合の中、最年少で詩暢の大盤係になった明星会のこころちゃんも奮闘しました。
名人戦は名人位を取るという本気が感じられる新が一勝。
その裏では太一が周防名人の育て親とも言える兼子さんたち、佐賀から駆け付けた千歳、さらには白波会の原田先生や坪口さんとも出会い近江神宮へ向かいます。
第二試合、千早は自分の着物で反撃に打って出ます。
一方周防名人は山城読手の読みで真骨頂を見せます。
44巻
44巻の表紙、そして花と花言葉についても末次先生が言及しているツイートを見つけました。
名人位・クイーン位決定戦、第二試合です。
千早は相性の良くない歌人同士の札を近くに置く配置で詩暢の集中を削ぐ戦略を取ります。
しかしそれは札にも嫌われる配置。
音や決まり字以外にも複数の線で札と繋がる詩暢に流れが来ますが、詩暢が場の中で特に取りたい札との繋がりを断ち切ってそれを取りに行く千早。
詩暢がいる百人一首の世界を共有して戦いましたが、惜しくも3枚差で敗れ詩暢に勝つ方法が分からなくなってしまいました。
一方名人戦の周防さんは、新相手に互角の取りを許す中で兼子さんが会場にいることを知ります。
45巻
今回の表紙は緊迫の戦いに身を置く千早と「極楽鳥花」です。
この鳥のような特徴的な花の花言葉は「輝かしい未来」
名人戦・クイーン戦が皆の輝かしい未来に繋がることを信じて45巻行ってみましょう。
名人戦二試合目も新が勝利し、名人位に大手を掛けます。
試合後に新は途方に暮れ泣き崩れる千早に対し、0勝2敗からでもあきらめない瑞沢のかるた、自分のかるたをするように伝えました。
今まで仲間と積み重ねた時間と「するぞ3勝」という言葉に背中を押され、千早は第三試合に向かいます。
第三試合では10年ぶりに読手となる九頭竜さんの読みが響き渡ります。
凛々しく端正で梅の花が咲くような読みです。
そして九頭竜さんの読みのくせを聴き込んでいた千早と周防さんは存分に感じを発揮することとなります。
さらに周防さんは札を全部内側に寄せ、試合を見に来てくれた兼子さんの為に本気で勝ちにいく様子。
千早は自分以外の仲間に支えられてここまで強くなれたことを思い出し、遂に初めて詩暢に勝つことが出来ました。
46巻
46巻の表紙は「水仙」を握り潰す新。
花言葉は「自己愛」です。
自分だけではなく仲間皆の夢となっていたクイーンへの一勝を成し遂げた千早。
一方名人戦は周防さんが三試合目にして勝利。
続く第四試合目、読手は山城今日子七段です。
千早との一敗が堪えた詩暢ですが、母から渡された襷を付け改めて札の声を聴こうとしていきます。
大舞台の上、千早は伸びやかに楽しんでかるたを取ろうとしており調子も良いです。
また回想では周防さんと須藤さんの名人戦前の期間のやり取りも描かれており、須藤さんの面倒見が良く情に厚い一面も垣間見えます。
対する新は、祖父の借り物のかるたを取ることに迷いを感じ始め調子を下げます。
そこへ浦安の間へ太一が現れます。
それをきっかけに、どんな相手だろうと自分が一番強くあるために力をふるう鬼の姿がここで見え始めるのです。
表紙のイラストや水仙の花言葉からは新のこのような一面が感じられます。
47巻
この巻の表紙は周防さんと「トマト」です。
トマトは14巻の表紙にも登場していましたが、今回は周防さんと兼子おばさんの思い出という意味で描かれているのでしょう。
花言葉は「感謝」「完成美」です。
47巻は周防さんから兼子さんへの感謝の気持ちを感じる展開を見ることができます。
名人位・クイーン位決勝戦第四試合。
新は相手をぶっ潰すという気持ちを抱き、強い取りと超加速で追い上げます。
しかしこの試合は周防さんが執念の取りで勝利。
大事な人の希望でいたい、名人でいたいという気持ちから思わずガッツポーズが出ます。
クイーン戦では千早が自由に軽やかにかるたを取る一方、詩暢は途中で足を痛めてしまいます。
そのまま四試合目は千早の勝利となり、名人戦・クイーン戦共に四試合目にもつれ込むこととなります。
またこの名人戦・クイーン戦が山城読手が読手として最後の読みであったことから、彼女にまつわるエピソードも描かれていました。
そんな最後の読みからは有終の美、完成美を感じることができたのではないでしょうか。
詩暢が試合を落としたことで控室は気まずい空気になっていましたが、母の本音を聞いたことで詩暢も足を痛めたことを言い出すことが出来ました。
千早も詩暢を心配して助けに来たことで調子を取り戻したようです。
試合後詩暢の頼みで近江神宮にやってきた新は太一と再会し、福井から駆け付けた幼馴染の由宇ちゃんとも顔を合わせることに。
そして2人と話したことによって、自分の願いが名人になること、祖父のようになること、そして強くなって祖父とかるたを取ることだったのを思い出すのです。
48巻
48巻の表紙は詩暢と「クロッカス」ではないでしょうか。
クロッカス全体の花言葉は「青春の喜び」「切望」
またその中でも黄色いクロッカスの花言葉は「私を信じて」です。
名人戦・クイーン戦もいよいよ大詰め。青春と勝利への切望が詰まった極限の戦いが繰り広げられます。
黄色いクロッカスの花言葉からは詩暢と札との繋がりが感じられるようです。
第四試合と第五試合のインターバル。
千早は周りの音が聴こえすぎて倒れてしまいます。
神経が擦り切れ疲労も溜まっている状態ですが、短時間の休憩の後試合へ向かいます。
周防さんはかるたと本気で向き合うため長かった前髪を短く切っての登場です。
またクイーン戦の最後の大盤係はなんとかなちゃんが引き受けることに。
千早の自陣にはとうとう「ちはや」が並びます。
太一も千早の控室に合流し、芹沢読手の読みで五試合目開始です。
顔色が悪く序盤から連取を許していた千早ですが、次こそ超えていくという気持ちで敵陣右下段を抜きます。
疲労で暗記が抜けず心配になる場面もありましたが、得意の忘却力で立て直しました。
新は千早に借りた襷をして試合に臨み、周防さんに質問をしたりするなど自分を変えようとします。
名人のコンパクトな配置にも対応しつつ、誰かの真似ではない自分自身の強さで戦う新。
しかし周防さんはそんな新に名人になれないと言い放ちます。
49巻
49巻は「蓮」の花に囲まれる太一です。
この表紙はちはやふるで唯一背景が描かれている絵ではないでしょうか。
今までの表紙は無地の背景だったので、夕焼け空が描かれていることが新鮮だなと感じました。
そして蓮の花言葉は「清らかな心」です。
「競技かるたは好きですか?」という質問が周防さんの逆鱗に触れ、周防さんはミスをさせるかるたで新を追い詰めようとします。
周防さんは頑なに競技かるたが好きだとは言いませんが、新はそれを信じていないようです。
クイーン戦は空札続きからの千早の連取!
反撃に出ようとする詩暢ですが再度足が攣ってしまいます。
しかし今度は自分の力で足を伸ばし、その後以前千早にもらった襷を返すことで逆に詩暢が千早を助けるという展開がになるのです。
アクシデントからの一発目の取りでは正真正銘のセイムで札が折れます。
それほどまでに拮抗した戦いの中、2人だからこそより強くなれることを千早と詩暢は示そうとします。
そしてここで「お願いだれも 息をしないで」という1巻の冒頭に繋がるのは熱い展開です。
新が試合の際に小学生の時千早とかるたをした部屋に戻るように、千早は瑞沢かるた部の部室に心を戻し良い取りをします。
一方名人戦では新は腫れた中指で試合をしています。
そんな新は鬼のような残忍さが出ると思いきや、感じられるのは小さな子供のような前向きで透明な気持ちのようです。
そこからの千早・新の”ちはやぶる”の取りでは小学生の自分たちを迎えにいくような描かれ方がされています。
結局、小学生の千早たちのようにかるたを純粋に楽しむ清らかな心でかるたを取るのが一番強いのかもしれません。
その後太一が控室を出ていったかと思うと、2人の取りを見て自分も素振りをせずにいられない様子でした。
須藤さんは全盲のかるたの先生に会いに行くなど、かるたを続けてもらうために周防さんを支えます。
また詩暢の祖母も配信で試合を見ているようです。
そしてなんと、勝敗はクイーン戦・名人戦両試合運命戦で決まることに―――
50巻
ちはやふる50巻、とうとう最終巻です。
千早・新・太一の3人と”ちはやぶる”の歌を思わせる紅葉が表紙となっています。
紅葉といえば10巻も同様なので花言葉は割愛しますが、50巻は緑も残したまさに変化の途中の葉が描かれています。
青々とした葉から唐紅に変化する様は物語が積み重ねた時間を思わせて感慨深いです。
またこの3人が最終巻にして初めて一緒の表紙と言うのもじーんと来ちゃいますね。
名人位・クイーン位決定戦・最終第5試合目。
長かった戦いも運命戦で勝負が決まります。
しかもどちらの試合も残っているのは同じ札です。
最後の送り札に熟考しますが、千早は新や太一との思い出を振り返り、太一の札である”たちわかれ”を手元に残し”せをはやみ”を送ります。
そして読まれたのは小倉山荘の襖で”ちはやぶる”と対である”たちわかれ”の札!
千早がクイーン、新が名人になった瞬間でした。
遂に勝負が決まったこともそうですが、最後の歌の意味も太一の事を詠んでいるようで読んでいて目に涙が滲みましたね。
2人が夢を同時に叶え、自分だけ置いてきぼりになる寂しさを覚える太一。
しかし試合後の千早・新と会い、新に「来年おれが倒しにここに来るんだよ」と言った後3人で抱き合う流れは本当に良いシーンでした。
この3人の他にも、新と祖父、詩暢と祖母、周防さんと兼子さん、千早と千歳の各々が大切な人たちとの関係性も描かれていました。
名人戦・クイーン戦からしばらく経ち卒業式。千早はお世話になった宮内先生から教育についての言葉をもらいました。
そこで太一の進学する大学について聞いていないことを知る千早は、ここで初めて太一への気持ちを自覚します。
その後太一を探す千早は部室で太一を見つけました。
京都大学に進学し太一が離れていこうとしていることを知り、千早は自分の気持ちを懸命に伝え2人は結ばれることとなるのです。
これを見ていたかなちゃんは思わずガッツポーズをするのですが本当に同じ気持ちです。太一が報われて良かった。
千早はクイーン戦の運命戦の際やこれまでも度々太一のことを思っていたので、彼がかけがえのない存在になっていたことに気付けていなかっただけなのかもしれませんね。
そして時は過ぎ、全日本選手権で今までの登場人物たちが一堂に会しかるたをするというシーンでちはやふるの物語は結びとなります。
まとめ
ちはやふるの物語が遂に完結してしまいましたね・・・
今回の41巻から50巻は千早と新が名人戦・クイーン戦の挑戦者に決定し、決定戦を経て夢を叶える瞬間が描かれていました。
皆の物語もかるたと共に明るい未来へ繋がっていくことでしょう。
花言葉と振り返る「ちはやふる」もこれにて結びとなります。
長かったかと思うのですが、ここまで読んで頂いた方は本当にありがとうございました。
そして長い間熱い青春を見せてくれた「ちはやふる」という作品にも最大の感謝を。
〈参考サイト〉
🍀GreenSnap(グリーンスナップ)- 植物・お花好きが集まるコミュニティ
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