今回は「SWEET CLOWN~午前三時のオカシな道化師~」の真相を踏まえた考察になっています。
ネタバレを含む内容となりますのでクリア後にお読みください。
懐中時計について
柘榴と知己は2人とも同じ懐中時計を持っていたと思うのですが、この懐中時計には重要な意味が隠されていると考えます。
懐中時計は以下を象徴しているのではないでしょうか。
時計部分⇨大切だった姉弟の時間。
時計が動く=姉弟の記憶がある状態、時計が動かない=姉弟の記憶がない状態
オルゴール部分⇨半身についての喪失感の有無。
オルゴールが鳴らない=喪失感がある状態、オルゴールが鳴る=喪失感がない状態
城に来る前の柘榴と知己の状態は、
柘榴⇨時計は動くがオルゴールは動かず
=弟の記憶はあるが、弟を失い半身が欠けて喪失感のある状態
知己⇨時計は動かないがオルゴールは動く
=姉の記憶を失っている為半身が欠けている認識がなく喪失感もない
真相グッドエンド後の柘榴と知己の状態は、
柘榴⇨時計もオルゴールも動かない
=記憶を失っているが、大切なものが欠けている喪失感はある状態
知己⇨時計は動かないがオルゴールは動く
=姉の記憶を失っている為半身が欠けている認識がなく喪失感もない
懐中時計を手に入れた当初は時計部分もオルゴール部分も問題なく機能していたはずです。
その時にはまだ柘榴と知也も一緒におり、喪失感を感じることなどなかったでしょう。
これらのことから考えると、オルゴールは半身を失っていることに気付かせる警鐘として鳴り続けていたように思えます。
柘榴が城に来て急にオルゴールが鳴った場面がありましたが、あれは自食の影響で弟の記憶に混濁が生まれた為警鐘を鳴らしていたのではと推測できます。
なんといっても曲名が「廃忘する半身の憂い」ですからね。
有精卵について
知己は有精卵にトラウマがあり有精卵が出てくるシーンもありますが、これは人は気付かないだけで日々残酷な仕打ちをしている象徴なのではと感じました。
例えば人間が鳥や牛を食べるのは普通ですが、その「普通」は異なる視点から見ると残酷な仕打ちにもなるということです。
柘榴が知也を縛ってしまったのも柘榴の環境を考えると「普通」の感情だったのかもしれませんし、それによって知也が歪んだ愛を抱いてしまったのも彼にとってはごく「普通」の自然な感情だったと考えることも出来ます。
そんな「普通」が残酷な世界を作ってしまったというのも皮肉なものですが、普段は見えないだけで日常の中に残酷さは潜んでいるとも言えるのではないでしょうか。
有精卵についてはOP映像に出てきているものの作中で大きくは取り上げられていません。
しかしわざわざ知己の有精卵にまつわるエピソードを物語の中に入れたということは少なからず意味はあるのではと考えています。
今回は以上となります。
SWEET CLOWNは少し前にプレイしたのですが、考察しがいのある深みを持った作品だった思い出があります。
最近気づいたのですが、知己は真の己を知る運命にあるということが名前に表れていたんですね。
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