泡沫のユークロニア 作中単語考察

その他

こんにちは紫乃です。

今回は泡沫のユークロニアに登場する作中単語の考察をしていきたいと思います。

以前スタッフコラムにて、実際に存在する日本語の単語を多く使用しているとのお話がありました。

その為作中で使用される名詞に着目して意味を調べてみました。

後半のほうが考察色強めになっていますので、最後までお読み頂けますと嬉しいです。

本編のネタバレはありとなりますのでご了承の上お読みください。

作中単語考察

人名について

古典等で使用された古語から季語まで、花鳥風月、日本古来の単語が多い印象です。
辞書みたいにどんどん並べていきます。

人物と単語の意味で関連性がなさそうなものもありますが、日本語の奥深さを感じられました。

矢代
「やだい」と読ませたり様々な意味がありました。
個人的には「やがわり」と読ませる意味が印象的です。
『他人の身代わりとなって矢に射当てられること』
銀湾の間者という危険な役目を負わされた彼が連想されました。

 
「夜の帳」の帳と同じように覆い隠すものの意味。 
戦の作戦を練る場所・大将の陣営を意味する「帷幄」(いあく)や「帷幕」(いばく)に使われている漢字であり、男らしさや勇ましさを表現したい場合に適するそうでした。
花街の顔役・不知火の首領であり男気がある帷らしいです。

淡雪 
うっすらと積もったやわらかで消えやすい雪。
春の季語。

依  
「頼る」といった意味、「依然」という単語がある通り「そのまま」の意味もあります。

露草雛菊は彼らのイメージフラワーでもあるように花の名前です。 

花言葉はこちらの記事で紹介しています。

続く柊・石蕗も植物の名前です。


節分で魔除けとして飾られる棘のある葉の植物。
花言葉には「先見の明」などがあります。

石蕗
「謙譲」「謙遜」「困難に負けない」といった花言葉を持つ食べられる植物。
妾の子としての出自を持つ彼っぽい意味を持っていました。

ここからはサブキャラクターです。
FDの新キャラも含みますが、特にネタバレはないはずです。

まずは流れを汲んで植物関連のキャラから。

枸橘
中国原産のミカン科の落葉低木。
枝に棘がある。触ると危険。
実や花が季語となっている。

賢木
神域にある常緑樹の総称。
神事に用いる榊と同様の意味。
上記は神と人を繋ぐもの、依代の意味があります。
大樹と民を繋ぐ存在としての意味が込められているのかもしれません。
夏の季語でもあります。

松柏
漢字の通り松と柏。
節(みさお)を守って変えないことの例えとしての意味も。


花の名前で「高貴」といった花言葉を持っています。

月や天候に関する単語も多く使用されています。
露草の半月堂もそうですね。

雨月
旧暦5月の異称。
名月が雨で見られないことも意味する秋の季語です。


ぼんやりとかすんでいるさま。
春の季語。
「朧月夜」のように月と使用されることも多いです。 


いくつか意味がありましたが、新月を表すのがイメージに近いです。

佳月
旧暦3月の異称。
名月を意味する春の季語です。

鳴神
雷や雷鳴を指すという説があります。

氷雨
夏の季語として雹(ひょう)や霰(あられ)の意味。
冬の季語として冷たい雨やみぞれの意味。

最後にその他の部類の単語のキャラクターです。

藍白 
日本の伝統色。藍染の中でも最も淡い色で黄みを含んだ淡い水色。

千鳥
小鳥の種類の総称でもありますが、日本の伝統的な文様である千鳥文様から来ているように思います。

周防
現在の山口県東部の旧国名。

潮路すず音はそのままの意味ですかね。

名称について

ここからは場所や機関などの名称について考察していきます。

凍玻璃
寒さで凍てついたガラス。冬の季語。
冬のガラスは寒暖差にさらされるイメージがあります。
中はぬくぬく暖かいが実際は厳しい寒さということから、理想郷の真実を表しているのかもしれません。

東瀛
東の方の海。日本の異称として用いられることも。
扶桑と関連性あり。

銀湾
天の川の別称。秋の季語。

禁域 
侵入してはいけない領域。

扶桑
古代中国で太陽の出る東海の中にあるといわれた神木。 
ここから日本の異称の意味も。
ユークロ内では禁域に植わっています。

泉下 
死後の世界。あの世。

鴉芙蓉
芙蓉は花の名前で「心変わり」という花言葉を持ちます。
黒色と正気を失わせる薬物ということからの命名でしょうか。

不知火
九州の有明海・八代海などで夜間に見られる光の異常屈折現象。

黒鶴 
実際の鶴の種類。

上記の通り、中国の伝承で描かれた日本に関する単語が名称に使用されていました。
さらに深掘っていくと、ユークロは日本の江戸時代になぞらえている部分が多くあります。

柳営
将軍のいる所。幕府。

大樹
征夷大将軍の唐名。

大樹は大きな木の他にも中国の名称で将軍の意味があるとは思いもしませんでした。

ゲーム内時点の大樹と柳営の役割は、日本の歴史に当てはめると下記の通りだと思います。

天皇(形式上の最上位):幕府(将軍が実権を握る)
   大樹     :   柳営

ただ単語の意味から推測すると、最初は大樹が将軍として政治の実権を握っていたとも考えられます。

徐々に組織である柳営の比重が増し、大樹個人は天皇化して現在の形になったのかもしれません。

 

他にも東瀛が鎖国をしていたことや、矢代が東宮(皇太子の身分)だったこと、城下町(ユークロ内では城下街)が存在することからも時代性を感じます。

また江戸時代には武士・百姓・町人といった身分制度があり、住む場所が区別されていたというのもユークロと同じです。

ユークロ内では貴族=武士の特権階級に当たります。

外敵から凍玻璃を守る存在であり、血を見ても気分が悪くならないといった設定にも反映されていました。

そして、えた・ひにんといった差別されていた人々がユークロ内では泉下の住民ということになるでしょう。

最後に、この作品はこれまでのやり方や風潮への疑問がベースにあったかと思います。

これは江戸時代の終わりである大政奉還などの幕末から明治維新のイメージが重ねられているのではないでしょうか。

凍玻璃が大樹をなくし議会制の民主主義へ進む可能性があることもこの説の根拠になるのではと考えています。

 

終わりに

今回はひたすら文字での説明が主な所最後までお読み頂きありがとうございます。

最後の方は日本史の復習みたいになりました。

うろ覚えな部分あり&FD途中なのに急にこの記事を書き始めたので、プレイ後に考察が進む部分があるかもしれません。

最初はふんわり和風の単語が多いなと思っていたくらいだったので、想像以上に考察が進み調べるのが楽しかったです。

<参考>
コトバンク [ 辞書・百科事典・各種データベースを一度に検索 ]
「とばり」の意味とは?「帳」など漢字や熟語も紹介!類語・英語も | TRANS.Biz
https://greensnap.co.jp/columns/holly_language
ツワブキ(石蕗)の花言葉|種類や花の見頃の季節は? | HORTI by GreenSnap

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