今回は「死神と少女」についての考察をまとめていこうと思います。
ネタバレありとなりますのでプレイ済の方のみお読みください!
「世界で最も美しい言葉」とは何だったのか
作中で度々登場する『死神と少女』の絵本。
その内容は死神と少女が「世界で最も美しい言葉」を探して旅をするというものでした。
この言葉が何なのか本編プレイ中からずっと気になっていた方も多いのではないでしょうか。
この答えについて本編のシナリオでは明かされませんでしたが、絵本鑑賞で『死神と少女』の絵本を読むとその言葉に辿り着くことが出来ます。
物語の終盤、「世界で最も美しい言葉」について以下のような説明がされます。
それは貴方も知っているもの。
そして、何よりも貴方だからこそ意味をなすもの。
それが私が見つけた、辿り着いた答え
それは、個であり、唯一であり、始まりと終わりを共にするもの。
貴方が貴方であるという言葉
唯一であり、絶対であり、永遠であるもの。
世界の全てが認める、そして共有することが出来る
美しい言葉を。
なぞなぞのようで絵本の中でもはっきりとは明言されないのですが、これらのヒントから考えると「世界で最も美しい言葉」とは愛しい人の「名前」なのではないかと思います。
「世界で最も美しい言葉」なんて表現にどう答えを出すのか私もずっと気になっていたのですが、この発想はなかったなと思い納得しました。
乙女ゲームをプレイしていても、攻略キャラがヒロインの名前を呼ぶときの声って愛しさがこもっていて大好きなんですよね。
唯一であり、絶対であり、永遠で、世界の全てが認める、そして共有することが出来るなんて普遍的な言葉あるのだろうかと思っていましたが、人の名前は異なる言語になっても変わらないし、生まれた時から死ぬまで同じですからね。
この絵本鑑賞の『死神と少女』では始まりから終わりまで丸々物語を読むことができるので、読んでいない方には是非とも読んで頂きたいです。
この「名前」という答え以外にも、死神と少女が十の国を旅する過程など本編とリンクする部分も沢山あるので読んだ後は感慨深い気持ちになります。
背景の白い灯りについて
学校の図書館や臥待堂書店で、背景に蛍のように動く白く丸い灯りのようなものが写っていたのですが気にならなかったでしょうか。
私はこれに何か意図したものがあるのではと考えていました。
そしてこの背景の灯りと、黒の章で時計塔が真っ暗になった時灯りの代わりに出てきたものが似ているのではないかと思い当たりました。これは7つ目の幻想です。
細く背の低い木に似付かわしくない程、たわわに実ったその花は、淡く優しい光を花冠に蓄えていた。
黒の章ー28
花はゆらゆらとまるで風にでも吹かれている様に一心にその身を揺らしていた。
次第に花はその頭だけをぽたりと床に落とした。同時に大量の光の玉が生まれ、部屋を明るく照らした。
絵本『死神と少女』7つ目の国、白黒の国は白の姫であり紗夜の母の白雪さんのお話だと思います。
絵本の中ではこちらを惑わすような言葉を少女にかけていましたが、7つ目の幻想として現れた光は温かく紗夜と十夜を助けてくれました。
少々無理やり感はありますが、日常シーンにおいても白雪さんが紗夜のことを見守っていたという解釈ができるのではと考えました。
そして物語の読み手である私たちプレイヤーにはこの幻想が見えるようになっていたという事なのではないでしょうか。
図書館や臥待堂書店で見えても他の場所では見えなかったりするので、これも何か意味があるのでしょうかね。
『死神と少女』の絵本があるところだったり・・・?
キャラクターの名前の意味
最後に「死神と少女」に登場するキャラクターの名前の意味について考えてみました。
日生光⇒塔の中から日の光の元に連れ出す、真実へ誘う存在。
蒼⇒夜になる前の空の色。夜=1日の「終わり」。終わりは死神。死神になる前の存在という意味。
遠野十夜⇒絵本『死神と少女』で十の国を巡ること。死神であるため夜という終わりの存在。
日生先輩(昼)⇒蒼(夕方と夜の狭間の時間)⇒十夜(夜)と時間の流れにもなってるんです。
そして桐島七葵先輩は名前の由来が想像できず時間の流れとも関係ないので仲間はずれです。
「死神と少女」の物語の読み手という存在の為あえてなのかもしれません。
葵は家紋によく使われるので恐らく武士っぽいイメージで名付けられたんでしょうね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「死神と少女」はプレイしながら考察しがいもあり、幻想的な世界観が素敵な作品でした。
ページをめくって物語を読んでいるかのような気持ちにもなれましたね。
他にも考察出来る部分がありそうなのでもしあれば気軽に教えてください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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