今回はSullyland Nursery Rhyme(サリーランドナーサリーライム)、通称サリライについての記事です。
世界観など全般的な考察を行っていきますのでお付き合い頂けますと幸いです。
考察
サリーランドとマリーゴールド
最初にサリライのキービジュアルを見た時、死者の日モチーフっぽいなという感想を持ちました。
死者の日とは11/1・2頃に行われるメキシコの伝統行事で、死者の魂がこの世に戻ってくる日とされています。
日本で言うお盆に近いものですね。
作中ではマレニス祭が同じような意味合いの行事となっています。
死者の日は先住民の祭礼も元になっているのですが、作中で生贄や心臓といった要素が出てくるのはこのアステカ文明の影響もあるかもしれません。
そして死者の日にはマリーゴールドが街中至る所に飾られます。
マリーゴールドは強い芳香と太陽のようなオレンジ色が霊魂を引き寄せると言われ、死者を導く花とされているようです。
また太陽の神から贈られた花として尊ばれてもきました。
このような死者との親和性から、死者の国サリーランドを彩る花としてマリーゴールドが選ばれたのではないかと考えます。
また明るい見た目の一方で、「嫉妬」「絶望」「悲しみ」「孤独」といった少し怖い意味のネガティブな花言葉を持っているのも作品の世界観に合っています。
特装版のビジュアルなどでキャラクターがマリーゴールドを持っているのは、このような負の感情を抱えているという意味合いがある可能性もありますね。
ちなみにサリーランドのSullyは英語で「汚す・傷つける」といった純粋さや完全性を損なう意味なので、負の側面が強い名称になっています。

マレニス神と双子
続いてマレニス神関連から深堀りしていきます。
マレニス神の外見は、月の女神アルテミスの聖獣、ケリュネイアの鹿という巨大な雄鹿に似ているんです。
また女神エルシカの仮の姿は白いカラスですが、白いカラスは太陽神アポロンの遣いであったという神話があります。
そして今名前が出てきたアルテミスとアポロンはギリシャ神話の神様なんですが、この2人は双子なんです。
出生順は諸説あるのですが、兄(弟)アポロンと妹(姉)アルテミス、御神ツキとアマネに繋がる特徴も見つかりました。
まず兄(弟)アポロンは太陽神でマリーゴールドの花言葉に関する逸話があることや、地域は違えどマリーゴールドが太陽の神からの花という考えから、世界観との繋がりが深いです。
さらにシスコンのイメージを持たれることがある神様で、アルテミスが好意を寄せていたオリオンを謀って殺させたエピソードが残っています。
ツキも妹への強い執着を持っていますが、自分で手を汚す公式サイコパスなのでより重度かもしれません・・・
またアポロンは音楽や芸術の神でもあり、これはアマネに通ずる部分だなと思っています。
対する妹(姉)アルテミスは月の女神。
女神ということでアマネに近い気もするのですが、月の女神なのでそのままツキにも繋がるんですよね。
細かく異なる部分はあるのですが、この神話から着想を得た可能性はあるのではないでしょうか。
ナーサリーライムについて
最後はタイトルにもなっているナーサリーライムについてです。
ナーサリーライムは英語の童謡のことで、マザーグースと呼ばれることもあります。
個別√の冒頭でキャラごとにモチーフになるナーサリーライムが紹介されますが、シナリオも結構歌に絡めた内容になっていたので改めてまとめ直したいと思います。
●キセキ:「メリーさんの小鳥」
これは有名な「メリーさんの羊」を元にしていると思われます。
原題は「Mary Had A Little Lamb」で、作中の絵本では「Mary Had A Pretty Bird」となっていました。
次に紹介するテラのナーサリーライムと羊で被ってしまうので小鳥に変えたのかもしれませんね。
●テラ:「バー・バー・ブラック・シープ」
日本では「メーメー黒羊」とも訳されます。
黒い羊は集団の中で浮いている存在、変わり者、厄介者を指す否定的な表現でもあります。
●ネオ:「テントウムシ」
「Ladybug, Ladybug」という歌です。
火事で一人だけ生き残ったという状況がネオと一致します。
テントウムシのグッズが好きな設定に活きているのも可愛いですよね。
●シーマ:「オレンジとレモン」
タイトルからは想像できませんが、借金や首をはねると言った物騒な内容がシーマ√のシナリオに繋がります。
オレンジティーとレモンコーヒーという形でも登場しました。
●リョクハ:「2匹のねこ」
作中の絵本に「There Once Were Two Cats of Kilkenny」と書かれている通り、「キルケニーの二匹の猫」と訳される歌です。
カイリとリョクハの関係性が想像される内容です。
●ツキ:「Scarborough Fair」
ツキが鼻歌で歌っていた曲ですが、実際に存在するイングランドの民謡でした。
市へ行く旅人に対し、昔の恋人への伝言を頼むという歌なのですが、この内容が縫い目のないシャツを作ってほしいといった実現不可能なものなんです。
これについては作中でツキが触れている場面がありました。
縫い目のないシャツを乾いた井戸で洗うように。
この歌のように……不可能なことを可能にしたかったから
曲の解釈として、死者が生者に対して「不可能な条件が成し遂げられるなら戻れるだろう(=つまり、もう二度と会えない)」と告げている、という説があるようでした。
それに対し、不可能な条件を成し遂げられたなら『そうしたら彼女は私の恋人』の歌詞をツキは本当に可能にしようとしたんだと分かって唸りました。
ラストのサリーランドのナーサリーライムというタイトル回収では、前者の解釈から死者の口ずさむ歌という意味が込められているのでしょうか。
終わりに
ツキの曲について知って最後に凄い余韻を残された気持ちです。
あの物悲しいメロディの曲が軸になっていて、そこに他のナーサリーライムなどの要素も合わせて組み込まれていったと考えると作品の深さを感じます。
あとは神話と双子の関連性も気付いた時テンションが上がって調べるのが楽しかったです。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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